3月1日にリリースされた「Kibela(キベラ)」は、個人の発信を組織の力にする、新しいタイプの情報共有ツール。組織の規模は問わない。少人数のスタートアップはもちろん、大人数の企業でも滞らせることなく、適切に情報を届けることができるという。
提供元は、2014年創業のビットジャーニー。クックパッド勤務を経て起業した代表取締役の井原 正博(いはら まさひろ)氏に、話を聞いた。
・単なるドキュメント共有におさまらない組織、文化を形成するツール
Q1:まずは、「Kibela」提供のきっかけからお聞かせください。
前職のクックパッド社では「Groupad」という社内情報共有サービスを使って、社員同士のコミュニケーションや知見の共有が行われていました。個人が調べたことや学んだことを社内共有し、一人の発信を組織全体の力にしていることが、クックパッドという組織の強みの一つだったと思います。
こうして情報共有を行うことで、より良い組織が増え、より良いものづくりが増え、社会がより良くなる。この「Kibela」というサービスを提供することで、それを支えられれば、というのが最初の想いです。
Q2:他の情報共有ツール(ビジネスコミュニケーションツール)との決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。
個人の発信をサポートすることに重きを置いている点です。「Kibela」開発のきっかけにも関連しますが、クリエイティブな組織を強くするためには、個人の発信量が鍵だと考えています。「Kibela」はドキュメント共有ツールの枠に留まらず、組織や文化形成を支援するツールになることをめざしています。
また、数十人規模の比較的小さなチームだけでなく、数百人規模の組織であっても、オープンに情報を共有できるように設計しています。社内のエンジニアだけではなく、組織内の誰もが使えるツールをめざし、引き続き開発を続けていきます。
・100人の発信が1万個のオープン情報に変化する
Q3:「Kibela」を利用することで、ビジネスの効率はどのように変化するのでしょうか。
例えば100人の組織で、各人が調べた情報や得た知見を発信しなかった場合、個人の中に閉じ込めれた情報は、100個ある状態です。しかし、100人全員がそれを発信すると、100個 × 100人で10,000個のオープンな情報に変わります。
他人の出力を自分の入力にすることで、また一から調べ直す時間を削減できますし、どんどん入ってくる新しい情報を活かしながら、自分の成果を出すことに集中できるのでは、と思います。
Q4:今後の展開で決まっていることがありましたら、教えてください。
直近では、類似ツールからの移行支援、検索の機能拡充や精度向上、スマートフォン、ウェブ版のブラッシュアップなどを予定しています。また、エンタープライズと言われるような大企業の選択肢にもなれるよう、監査ログやSAML対応など、管理者向けの機能拡充や、セキュリティ面の対応を行ってまいります。
現在は日本語と英語のUIを用意していますが、日本国内だけではなく、世界で使われるツールになることをめざし、ローカライズにも努めていく予定です。
その他、細かな使い勝手の改善や機能追加は、日々行っています。5名以下であれば、無料でお使いいただけますし、有料プランでは2ヶ月間の試用期間を用意しています。この機会にぜひ、お試しください。その際、ご意見などもいただければ幸いです。
(取材・文 乾 雅美)
Kibela