ユーザーは、専用アプリにその日購入したバーコードとレシートを登録する。スキャンと引き換えに、ポイントがもらえる仕組みだ。登録数は、1日で3万件以上。アンケートとしては、十分すぎるくらいの実数が獲得できるのも、本サービスの大きな特長だ。
提供元は、2011年創業のリサーチ・アンド・イノベーション。代表取締役社長、中岡 邦伸(なかおか くにのぶ)氏に、話を聞いた。
・確実な購入者から鮮明な記憶に基づく回答を取得
Q1:まずは、「CODE」開発のきっかけから、お聞かせください。
弊社は発売した商品の店頭での見え方や、家庭での使用実態などを調査する会社ですが、メーカーや流通のマーケティング担当の方と話す中で、ウェブアンケートの信頼性について、さまざまな意見を聞きました。
そのとき、不思議に思ったんですよね。「それなのに、なぜ使うんだろう」と。聞けば、それに代わる手法がないということでした。そこで、店舗で自然に商品を購入した消費者から、リアルタイムで声を聞ければ、信頼性が低いといわれるアンケートを、リプレイスできるのではと思ったのです。
Q2:従来のリサーチサービスとの決定的な違いは、どこにあるのでしょうか。
一般的なウェブアンケートでは、回答者の記憶に頼ります。極端な言い方をすれば、とある母集団に過去のことを、記憶があいまいな状態で聞いているんです。また(従来のサービスでは)購入後、リアルタイムで意見を聞く場合、店頭に立って直接声を聞く、あるいは、はがきやQRコードでアンケートに誘導する手法を用いています。それらは、いずれもアナログで、手間暇がかかるのは想像がつくと思います。
それに対して「CODE」は、購入からアンケートを受け取るまでの時間が、数分から長くても数時間以内でおさまります。加えて、確実な購入者から、鮮明な記憶に基づく意見を取得することができるのです。
・残り90%の進化に期待
Q3:「CODE」を利用することで、企業はどのようなメリットを得るのでしょうか。
アプリとバーコードを活用しますので、発売した後の商品であっても、流通の許可なくリサーチが可能です。また、いつでも簡単にアンケートをスタートできますので、例えば明日から新発売の商品を購入した100人の意見を集める、売れている競合商品の購入者から、瞬時に意見を吸い上げるといった、発売後のマーケティングが容易になります。
価格も安いです。店頭で自然に購入した100名から意見を集めても、20〜30万円で済みます。今後もリサーチの機能は、どんどん強化(ブラッシュアップ)される予定です。
Q4:今月から新しいプロモーションサービスも、提供されています。これからも、こうした新サービスのリリースはあるのでしょうか。今後の展開について、教えてください。
実は、現在の「CODE」は完璧ではなく、まだ10%の状態です。開発中の機能や買い物イノベーションは、これからになります。
弊社がめざしているのは、消費者の買い物を少しだけ変えることと、作り手や売り手に使えるデータを提供することです。消費者が店頭で得られる特定商品に関するデータは、圧倒的に少ないと思っています。メーカーが流通で情報を露出しづらい現状も、把握しています。無名ブランドだけど、実はとてもおいしい隠れた商品なども、消費者に正しく伝えてあげたいと思います。残りの90%に、ご期待下さい。
(取材・文 乾 雅美)
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