その貧血について手早くスマホで診断できるアプリ「HemaApp」を、米国ワシントン大学の研究チームが開発した。フラッシュ部分に指を当てながら撮影してヘモグロビン(血色素)濃度を調べるというものだ。
・血液の色を分析
貧血は、血液内のヘモグロビンが少ないことで、酸素が十分に細胞に行き渡らなくなり、息切れやめまいなどの症状が出る。
貧血かどうかを診断するには、採血して赤血球の数やヘモグロビンの濃度を調べるのが一般的だが、HemaAppでは採血は不要。
というのも、スマホのフラッシュ部分に指を当てながら撮影し、血液の色を分析する。これにより、ヘモグロビン濃度を算出して貧血かどうかを判断することが可能なのだという。
・精度は上々
開発者によると、HemaAppの精度は米食品医薬品局に認可された高価なデバイスと同等とのこと。
スマホ内蔵のフラッシュだけでも検査できるが、電球など他のソースの明かりがあるところで使うと精度がさらに上がる。
・一次検査ツールとして
ただ、このアプリ、現在の採血検査に取って代わるものとして開発されているわけではなく、さらに検査が必要かどうかを見極める一次検査ツールとしての活用を見込んでいる。
検査にかかるコストもリーズナブルなものになるだけに、特に発展途上国での利用を想定しているようだ。
確かに、世界的にスマートフォンの普及が進んでおり、身近な端末を活用して検査ができれば、地方やへき地の医療福祉向上に貢献することは間違いない。
ワシントン大学