このような事業環境のもと、オンライン書店の強みでもある"在庫データの検索性"を活かしながら、地元の独立系書店と読者をつなぐためのプラットフォームとして創設されたのが、英ロンドンの「NearSt(ニア・ストリート)」だ。
・オンラインショッピングと地元商店での買い物を融合
「NearSt」は、ロンドン市内の提携書店から在庫データを収集し、一般消費者が直接、これらの在庫データを検索できるようにすることで、地元事業者と消費者をつなごうとしている点が特徴。
「NearSt」のスマホアプリやウェブサイトで郵便番号を入力し、欲しい本を検索すると、在庫を持つ最寄の店舗が表示され、オンラインで注文することができる。
注文した本は、店頭受け取りのほか、送料5ポンド(約700円)を支払えば、注文後1時間以内に、指定場所まで配達してもらうことも可能だ。
現在、ロンドン市内に実店舗を構える30以上の書店が「NearSt」と提携し、合わせて10万冊以上を網羅。
なえお、提携書店は、手数料として、本の販売収益の6%を「NearSt」に支払うルールとなっている。
・オンデマンド志向の消費者ニーズと地元事業者の持続可能なビジネスを両立させるには?
「欲しいモノを、欲しいときに、すぐ手に入れたい」という消費者ニーズは、本に限らず、様々な商品・サービスで広がっている。
「NearSt」は、“オンデマンド”を志向する消費者ニーズを満たしながら、地元事業者の持続可能なビジネスをサポートしている点が秀逸といえよう。
NearSt