そんななか、米国のノースカロライナ大学の研究チームによって、産後うつ研究をサポートするiOSアプリ「PPD ACT」が開発された。
・産後うつの研究用アプリ
同大学の研究チームは当初、産後うつになりやすい人とそうでない人の相違点について遺伝子学的観点から明らかにすべく、産後うつに悩む女性のDNAデータを収集していた。
そして、アップル社が「Research Kit」と呼ばれる医療研究プラットフォームをリリースしたのをきっかけに、アプリの開発を視野に入れるようになった。
モバイルアプリを使って被験者を募集し、DNAデータを収集するという方法は、精神遺伝学上初のアプローチであるという。
・わずか10分で被験者登録完了
産後うつに苦しんでいる女性なら誰でも被験者への登録資格を有する。被験者としてアプリに登録した場合、まず画面上に表示された質問に回答する。
すべての質問に回答後、自分自身の症状の程度が0~30のスコアで評価される。場合によっては、唾液の採取の採取が求められるケースも。
PPD ACTは、産後間もない女性のためのアプリではない。出産を経験してから数年が経過している女性も使用可能で、60代や70代の女性の方でも問題ないそうだ。
・日本版が登場する日も近い?
研究プロジェクトを立ち上げてから1週目で8,000名、初月末までに約1万人の女性がアプリに登録、そのうち約5,000名分の唾液サンプルを採取した。
信頼し得る研究結果を得るには5万名分の唾液サンプルが必要であり、目標に到達するには時間がかかりそうだ。
研究チームはとにかく人種や階級などを問わず、幅広い層のデータを入手することを望んでいる。
PPD ACT