2014年のリリースから、約1年。今では多くの優良企業が、そのシステムを採用している。
7月には、完全 SEO に対応した、多言語化ライブラリ「WOVN++(ウォーブン・プラスプラス)」を新たに実装。
これまで課題とされていた、検索結果に多言語版が表示されない仕組みも、解決できるようになったという。
開発元は、スタートアップ企業のミニマル・テクノロジーズ。波に乗る同社代表取締役の林 鷹治(はやし たかはる)氏に、インタビューを行った。(写真:向かって一番左が林氏)
・A/Bテストの仕組みを多言語化に応用
Q1:「WOVN」開発のきっかけを、お聞かせください。
前職でグロースハッカーとして働いている頃、「optimizely」を使って、頻繁にA/Bテストを行っていました。
そのサービス自体がとても好きで、クローンを週末に開発していたのですが、開発途中で、AパターンとBパターンを出し分ける仕組みを、ウェブサイトの多言語化に応用できるのではと考え、多言語化サービスの開発に、シフトしたのがきっかけです。
Q2:「WOVN」導入によって、企業はどのようなメリットを得るのでしょうか。
2つあると思います。
まず1つめは“新しい顧客の獲得”です。
これは、当然と言えば当然なのですが、日本人向けに日本語で提供していたものを、多言語で提供することで、新しい海外の顧客開発が容易になります。
A/Bテストなどの純粋なマーケティングツールが、既存の顧客に対して、コンバージョンレートを上げる効果があることに対して、「WOVN」は、新規の顧客を獲得することに特化した、マーケティングツールという見方ができます。
2つめは、多言語サイトを構築する際の開発コストが、圧倒的に下がることです。
基本的にエンジニアリングのコストが、ほぼゼロになるので、開発者でなくても、多言語サイトの構築ができるようになります。
・目標は企業にとっての“新たなマーケティングツール”
Q3:今後の展開について、教えてください。
今後は、より一層のUXの改善と、多言語版のSEO対策に重点を置いて、展開していくつもりです。
UXの改善については、UI-Lessな製品作りを心がけ、“「WOVN」を使っている意識をなくす”というレベルにまで、高めたいです。
SEO対策は多言語化しても、Googleしか行っていない企業さまが、多いと思います。
しかしながら、中国や韓国では、Googleがシェアを持っていないので、検索エンジン最適化ができていません。つまり、多言語化しても、潜在顧客には届いていない、ということになります。
これらのサポートを行いながら、今後は新しいマーケティングツールとして、多くの法人さまにサービスを提供していきたい、と考えております。
“世界中のすべての ウェブサイトを、すべての人の母国語で”。「WOVN」の真の目的は、そこにある。ネット上から言葉の壁がなくなる日も、近いだろう。
WOVN.io
WOVN++