・視線を追跡する“視標追跡マウス”
そんな人々のために、Samsungが開発をしているのが「eyeCan」というツール。いわば“視標追跡マウス”のようなもので、2012年にプロトタイプが公開された。ハードウェアとソフトウェアを組み合わせ、感度やカスタマイズ性に大幅な改良を加えた。これにより、webブラウジングやドキュメント作成などが容易になる。
ボックス型ツールは、モニターとコンピューターに接続し、互いに作用し合い、指令の受け渡しをおこなう。これはちょうど、パソコンを使うときのマウス、キーボードと、モニター間のような関係性だという。
・目の位置、動かし方のパターンで指令を送る
このプロトタイプを機能拡張したのが、2014年版の「eyeCan+」。目の位置やジェスチャー、独特の動きに基づいて、18の異なる指令を送れるようになった。ユーザーはカメラが搭載されたメガネを着用し、目の動きによって、モニターのアイコンやキャラクターを操作する。
さらに、タイピングや線描などの機能をスタートするよう指示できるほか、ある“特徴的な目の動き”をすることで、画面のスクロールやズームをおこなったり、複数のプログラムにまたがって、コピー&ペーストを実行したりできる。
ユーザーごとにカスタマイズされた、指令実行のための“特徴的な目の動き”は、保存しておいていつでも呼び出せるという。
・オープンソースで情報開示
今のところ、Samsungでは商業製品化する計画はないものの、サイト上にオープンソースとして情報を開示してくれている。「eyeCan+」は、両手が不自由な人でも、他人の助けを必要とせずに、自由にインターネットにアクセスして楽しむ可能性を広げてくれそうだ。
eyeCan