その中で注目を集めているのが、「ワークシフト」というサービス。世界79か国の優れたスキルを持つ外国人が、1万人以上登録。日本と海外の取引に特化した国内初のクラウドソーシングサービスとして、多くの企業から高い評価を得ている。
運営元は、ワークシフト・ソリューションズ。国内企業が抱えるさまざまな問題を解消するため、この事業を始めたという、代表取締役社長兼CEOの荒木 成則(あらき しげのり)氏に、詳しい話を聞いた。
・多言語対応で質の高い仕事を提供
Q1:外国人に特化したクラウドソーシングサービスにしたのは、なぜでしょうか。きっかけと経緯について、お聞かせください。
日本は急速に少子高齢化が始まっており、国内だけではモノやサービスが売れなくなっているという現状です。また、IT等に詳しい若者世代の減少が、中小企業の人材不足に、深刻な影響を及ぼしています。
一方、東南アジア等の新興国では若く、優秀な人材がITインフラの発展とともに、さらにチャレンジングな仕事を世界に求めています。弊社は、この両者の持つジレンマを海外とのやり取りに特化したクラウドソーシングサービスをもって、解決しようと考えております。
現在、クラウドソーシング業界には、「日本⇔日本」、「海外⇔海外」取引を行っている企業が多数存在します。しかし、「日本⇔海外」取引は、少子高齢化による労働力減少が進む今後の日本にとって重要な部分にも関わらず、高い参入障壁(言語・海外送金問題)があり、サービス提供企業はグローバルレベルで見ても、ほとんど存在しません。外国人に特化したクラウドソーシングサービスに挑戦したのは、そのためです。
Q2:「ワークシフト」とは、どんなサービスなのでしょうか。
インターネットで、世界79か国1万1000人以上(2015年3月11日現在)の外国人フリーランサーに仕事を依頼できる、日本初のグローバル総合型クラウドソーシングサービスです。
必要なときに、必要なスキルを持った人に、1契約から仕事を依頼することで、「早く」「安く」「質が高い」業務を可能にします。
弊社では、企業が日本語で気軽に外国人に仕事を依頼できるように、サイト全体を多言語(日英仏語)対応にし、翻訳ツールも装備しています。
また、海外との取引を活性化させるため、煩雑な海外送金を代行し、日本企業が簡単に決済できるよう、円を基軸通貨として、日本語で領収書や請求書が発行される仕組みを作っています。
Q3:登録ユーザーは、どんな人たちなのでしょうか。
前述の通り、現在世界79か国、1万1000人以上の外国人フリーランサーが登録していますが、スキルは多岐にわたり、エンジニア、デザイナー、バイリンガルやリサーチャーなど、その職種は150以上に上ります。
クライアントも多彩で、市町村や大企業、中小企業に至るまで、あらゆる業種、海外部門の方にご登録、ご利用いただいております。
・コスト削減や人材不足解消に貢献
Q4:本サービスによって、企業はどのような利益を得られるのでしょうか。
海外進出やマーケティングを考えている企業さまの場合、本サービスを通して、現地にいる人材へ直接調査や仕事を依頼することで、海外展開する際の費用と時間を大幅に削減できます。
総研やコンサルで何百万とかかっていたリサーチが、10分の1の費用でできたという、大手企業さまの実例もあり、あらゆる場面でコストの削減につながると考えております。
また、中小企業で不足しているIT関連の人材や業務アシスタント関連の仕事がカバーできるため、人手不足による業務効率の低下をなくすことも可能です。
Q5:これから「ワークシフト」は、どのように成長していくのでしょうか。今後の展望について、お聞かせください。
自動翻訳や多言語対応に、より力を入れることで、中小企業を始めとする日本企業が抵抗なく外国人と働ける基盤作りに努めたい、と考えております。
私たちは、言葉の壁や文化の壁が、ネットを通して低くなる社会が、いずれ訪れるだろうと思っています。そのときにこのサービスが力になれるよう、弊社理念でもある「働き方を変え、世界を1つに」を基軸に、グローバル総合型クラウドソーシングのパイオニアとして、活動していくつもりです。
Workshift(ワークシフト)