そんな荷物問題を解決しようと、フランスとオランダの共同航空会社Air France-KLMが、スーツケースメーカーSamsoniteとタッグを組み、あるシステムを試験的に導入するという。それがFastTrack社が開発した「eTag and eTrack」システムである。
eTagはいわゆる電子荷物ラベルで、スーツケースの外側にくっつける。この電子タグには荷物の到着地がバーコードで表示されている。一方、eTrackはスーツケースの中に入れておく。このデバイスはBluetoothで乗客のスマートフォンと通信をおこない、eTrackを使って、荷物の現在地を追跡することが可能。
また、電子タグは盗難防止の機能も併せもっていて、スーツケースがいじくり回されると、それを検知して所有者に知らせてくれるようになっている。
乗客は自分の荷物の現在地を逐一把握することが可能になる。目的地到着後、万一自分の荷物が見当たらない場合にもいち早く気づくことができ、荷物の現在地の再追跡をおこなえる。荷物のおよその現在地をつかめれば、荷物レーンで荷物が出てくるのを、ひたすら立ち尽くして待ちぼうけする必要もなくなるだろう。
「eTag and eTrack」システムは、運行が頻繁なルートを選び、今年12月に試験運用される見込みだ。荷物の所有者だけでなく、トラブルの元となる荷物問題を防ぎたい航空会社にとっても、大きなメリットとなりそうである。
eTag and eTrack