このツールの用途として、1つに3D音声を活用したゲームが考えられる。開発チームではiPhone向けの「Zombie X」というゲームを制作。3Dの空間を音声で表現し、360度の方角から迫りくるゾンビの攻撃を体感できる。プレイヤーは音声を頼りにピンポイントでゾンビの位置を特定する。向いている方向が変わると、音声の発生源も変化するなど、リアリティや臨場感あるゲーム体験ができる。
2つ目としては、美術館の音声ツアーなどに利用できるだろう。それぞれの絵画の前に立つと、絵画の紹介が流れるだけでなく、例えば泉の水が湧き出る音、車のエンジンを吹かす音、石畳を駆ける馬車の音など、絵画のテーマに沿った音声を流すことで、鑑賞者たちに絵画の世界にじっくり浸ってもらう。他にも、オーケストラ楽団のアプリで、個々の楽器の音を歩きながら体験する、というような楽しみ方もできそうだ。
また、エンターテイメントとしてのツールだけでなく、目の不自由な人のための音声、位置ナビゲーションシステムとして役立てられることも期待される。専用スクリーンは不要、Google Glassのようにメガネをかける必要もなく、方向や現在地がわかる利点や、明らかにウェアラブル機器を装着しているという印象もなく利用できる点はありがたいところ。
開発チームでは、「Intelligent Headset」向けのアプリ開発を募集中。現在、420ドルでプレオーダーを受付しており、発売は今年の9月30日の予定。
Intelligent Headset