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Marketing 色で服を選ぶECショップ「IROYA」が掲げる“トレンドにとらわれない戦略”

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色で服を選ぶECショップ「IROYA」が掲げる“トレンドにとらわれない戦略”

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iroya_top色を軸にした新しいファッションセレクトショップ「IROYA」(株式会社ブラック 代表取締役 大野氏)が、2014年3月にオープンした。

場所は、東京渋谷にあるキャットストリート沿い。8坪あるかないか程度の小さな店舗であるが、流行にとらわれず、運営者自らがセレクトしたファッションアイテムが並んでいる。

また、ウェブでも、店舗と連動したECサイトを同時にオープンした。小売り業にありがちな、実店舗対ECサイトという方針を払拭し、ウェブで気になった商品を店舗に足を運び、直接その商品を扱っている店員と話しながら購入できるのが特徴だ。

今回は、IROYAの実店舗を訪れ、インタビューを試みた。

■シーズナリティ戦略のため「色」に的を絞った


iroya_ecQ.なぜ、色を軸としたショップ方針としたのですか?
「新たな付加価値を生み出すためです。トレンドが過ぎたり、季節が過ぎると、すぐに価格が下がってしまうファッションアイテムに対して、「色」を軸にお客様へ提案することで、トレンドや価格、季節などにとらわれないファッションの価値を見出したいと思いました。」(大野氏)

 

iroya_inshop大野氏が掲げている「トレンドなどにとらわれない戦略」は、アイテムの卸元にも以下のような効果があるだろう。


季節の変わり目などに行われる値下げセールでは、在庫が安く買いたたかれてしまう卸元にも影響が及ぶ。


シーズンを考慮しないアイテムのセレクションがされれば、オフシーズンの商品でも、買い叩かれるかどうかは別として販売できる機会が多くなるのは間違いない。


IROYAでは、毎月1色のカラーを決めている。3月は白、4月は青、5月は緑・・・とテーマが決まっている。店舗では、1色のカラーで埋め尽くすほか、ECサイトでは、過去に扱った色の商品も「アーカイブ」として商品が購入できる。



■1点ものを扱うショップだからこそ店舗にこだわる


色を軸としたセレクトアイテムだと、接客にも何か気をつけることがあるのだろうか。実店舗の管理を任されている坂詰氏にも話を聞いた。

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Q.「セレクトショップ」を意識した接客の工夫はありますか?
「セレクトショップに加え、店舗面積が狭いのがIROYAの特徴です。したがって、1点モノである商品を、お客様の今のファッションに合わせて、いかにコーディネイトするか心がけるようにしています。もちろん、楽しくショッピングしていただく前提ですね。また、毎月色が変わることで、店内の雰囲気もがらりと変わります。商品の顔を意識したお店づくりをしていますので、それを見て楽しんでもらいたいです。」(坂詰氏)

 

IROYAでは、楽しめるコンテンツとして、今着ている服の色を分析する装置であったり、外壁のデジタルサイネージで、道行く人々の目を引くようにするなどの工夫をしている。

4月現在では、色を分析してサイネージに表示する機能しかない。分析した色から、顧客の色嗜好を分析し、現在店舗にある商品を提案できるなどの機能が欲しいところだ。大野氏によれば、iroya_signage

 
「いずれそういった取り組みもしていきたい。色解析のハードの調整は終わっているので、ソフトウェアが開発できれば実現できる」

と前向きな姿勢を見せていた。


また、坂詰氏によれば、店舗への来客比率は、男女半々であるとのこと。キャットストリートにあるファッションショップというイメージからは女性の来店が多いのでは?と予想していたが、男性一人で入店することもあれば、カップルで来店して両方がコーディネイトを求めて来ることもあるそうだ。

■色とナレッジがたまってからどう動くか?


今はまだ、オープンしたばかりのIROYA。
半年運営できれば、6色の販売実績と、その時の訪れた顧客の感想、商品の売れ行きなどのナレッジがたまる。このナレッジを生かし、どのようなセレクトショップ展開ができるかが、IROYA成功のカギとなるだろう。毎月違った雰囲気が楽しめるIROYAに一度足を運んでみて欲しい。

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