海外の会社に安価にアプリ開発を依頼したい。でもコミュニケーションに不安がある。
そんな悩みに、見積り依頼をネット経由でするだけで契約、納品まで日本の会社が至れり尽くせり対応してくれて、セキュリティチェックやデバッグのオプションもある、セカイラボというサイトがあるのをご存知だろうか?
Sekai Lab Pte.Ltdの代表取締役 COO大熊一慶(おおくま いっけい)氏に話を聞いた
■オフショア開発から獲た海外開発のノウハウ
Q、このサービスを始めるに至ったいきさつを教えてください。
「セカイラボはモンスター・ラボ社のグループ会社として新たに起ち上げた会社なのですが、元々モンスター・ラボでは自社の音楽配信サービスやゲームの開発、企業様向けの受託開発を中国の子会社で行ういわゆるオフショア開発を行っており、海外開発のノウハウやネットワークを培っていたという点があります。
国内でITエンジニアの需要は極めて高まっている中、供給が全く追い付いていない現状がありました。
また、スマートフォンの全世界的な普及もあいまって、日本人と変わらない技術スキルを持った海外エンジニアがアジアを中心に増加していた背景もあり、海外リソースをより一般的に活用できる仕組を整備することは急務だと感じ、セカイラボを起ち上げることに至りました。」
Q、このサービスを始めるにあたって、苦労した点は?
「実績豊富な海外チーム・企業と実際にお会い、お話をしてご登録いただいた点です。
現在は8カ国、1,000人程度のエンジニアにご登録いただいておりますが、日本企業への開発実績、納品経験のあるチームのみを選定しております。今後も実力のあるチームの登録を増やしていく予定です。 」
■依頼案件の総額が1億円を突破
Q、アメリカのElance、日本ではLancersなど、ネット経由でフリーランスやエンジニア会社にお仕事を頼めるサイトは他にもあります。「セカイラボ」と他社はここが違う、というポイントは?
「フリーランサーを対象としたサービスとの大きな違いは、複数人で構成されているチームに発注が出来るという点です。つまり、個人では対応しきれないような規模感のある開発案件こそ、むしろメリットを出しやすい領域だと言えます。
実際、他のクラウドソーシングサービスでは50万円以下の案件が8割以上を占めているというデータもある中、現状、セカイラボのプラットフォームにご依頼頂いている案件の平均予算単価は約400万円を超えております。
また、アプリの開発やオフショア開発のノウハウを持ったスタッフが在籍しているため、依頼〜開発・納品までがスムーズにいくよう、場合に応じて仕様書作成の代行や、企画のサポート、ディレクションサポート等させていただけることも一つの強みです。」
なるほど、その辺りが『依頼案件の総額が1億円を突破』できた要因のようですね。
■納品後に本決済を行うことで不安を解消
Q、見知らぬ外国のエンジニアに仕事を発注するのは、始めはいろいろと不安があります。「セカイラボ」ではトラブルがあった時、どのようなサポートがあるのでしょうか?
「現時点では日本国内の法人で、海外に開発拠点・チームを持つ企業を中心にご登録をいただいているため、日本側でもやり取りをする事も可能ですし、経験豊富なセカイラボスタッフがディレクションを請け負う事もできます。
また、例えば支払ったのに納品されないといったケースを防ぐために、一旦契約金をセカイラボがお預かりしてから、発注者さまから検収の完了報告があるまでは、開発チームには入金はされないといった仕組を導入しています。」
Q、今後他の分野へ進出の予定や、他会社との提携予定などはありますか?
「今後はアジア各国現地へのアプリのローカライズ、マーケティング、進出支援サービスの展開を見据えています。
現時点でもその萌芽はみられますが、現在は世界の工場あるいはコストダウンをはかるための開発拠点として捉えられているアジアも、5年や10年といったスパンで眺めれば、巨大なマーケットとして起ち上がってくることは間違いありません。」
先の見にくいエンジニア業界で、5年、10年先の世界的マーケットを見据えるSekai Lab Pte.Ltd。慢性的な国内のIT人材不足が指摘される中、世界水準の低価格と日本式のしっかりとしたサービスで、業界に一石を投じるサイトになりそうだ。
セカイラボ
(Writer: Saera Jin)