ローマの地方自治体では、SNSとして非常に有名なTwitterを導入して、市民を巻き込んだ違反取り締まりの活動をおこなっているという。ローマには270万人が居住しているが、公共交通は地下鉄が2路線あるだけで、あまり交通網が発展していない。また、市民の半数以上が自家用車を保有していて、通勤や外出に使用しているという。バス、地下鉄などの公共交通で通勤している人は、わずか25%。人と車は多く、土地は限られているという事情のため、ローマでは違法駐車が絶えないという現状があるようだ。
そこで登場したのが、新たにSNS、市民の力を活用した取り締まり施策だ。市民が違法駐車の車両を発見した場合、地元警察のTwitterアカウント“@PLRomaCapitale”に、違法駐車の現場の写真をアップしたり、詳しい住所を記載し、ツイートをして告発ができる。地元警察はそれらの通報情報をチェックして、案件の対処をおこない、通常であれば数時間以内に、対処結果を通報者にリツイートする、という流れ。
地道なパトロールももちろん大切だが、市民からの有力な通報情報を受けて動くことができるため、今まで以上にすばやい対応が可能となり、ローマ市内の交通安全の確保もできるようになる。すでに、1000を越える通報ツイートを受けているという。地元警察が通報ツイートに対応する時間は、月曜日から金曜日の朝9時~夕方6時まで。もちろん、通報ツイートを見て出動したはいいものの、すでに違法駐車車両は去っていた、ということもあるが、検挙率は格段に向上するはずだ。
行政がSNSを活用するケースは、ローマ市が初めてではなく、ケニアやスペインの警察で、犯罪の通報ツールとしてSNSを取り入れ、市民の力を借りて取り締まり強化に生かす事例もある。日本でもSNSというツールを使って、行政に一般市民の力を取り込む動きは、もっと出てくるかもしれない。
PoliziaRomaCapitale
@PLRomaCapitale