もちろん、名刺に代わるツールを模索する動きはすでにある。Googleは近距離無線通信(NFC)を活用してAndroid端末同士で情報を交換できるサービス「Beam」を展開しているが、Androidに限定されているせいか既存の名刺に取って代わるほどには普及していない。
そうした従来の名刺とBeamの中間に位置するような新たなサービスを、米国マサチューセッツ拠点のスタートアップ「TouchBase Technologies」が開発した。アプリを起動したスマートフォンのスクリーンに導電性インクで書かれた名刺を載せるだけで、その人の名前や会社名、肩書き、連絡先といった情報を端末に取り込めるというものだ。
名刺に刷られた情報はあらかじめ本人がTouchBase に登録し、それらはクラウドに保存される。名刺にある名前や連絡先だけでなく、顔写真、LinkedInやTwitterでのコンタクト先も登録できる。名刺をもらった人はスマホにかざすだけでそうした情報が自動でとりこまれるので、その端末からワンタップで電話をかけたり、LinkedIn で詳細な情報を入手したりできるという仕組みだ。また。名刺を差し出した側は、誰が自分の名刺情報にアクセスしたのかもわかるようになっている。
現在、このサービスが使えるのはiPhone5、5S、5Cのみ。もちろん、導電性インクの名刺を活用することが前提で、現在資金調達サイト「Indiegogo」で展開しているキャンペーンでは名刺36枚を25ドルで作成できる。TouchBaseユーザー同士でしか使えないサービスだが、営業マンやアーティストなど相手に自分を強く印象づけたい人にはうってつけのサービスかもしれない。
TouchBase Technologies